2001年10月1日~12月31日(2001年1月3日作成)

【1】政局
【2】国会報告
1.本会議・委員会質問
2.行政改革
3.平成14年度税制改正
4.出版活動
5.政策活動

【3】地元活動
1.後援会活動
2.行政評価シンポジウム

3.税理士上尾支部勉強会
4.FM鴻巣フラワーラジオ番組出
5.上尾市シティーマラソン

【4】若松事務所および市民フォーラムの現況報告

 
【1】政局
 
 9月27日、テロ対策国会として召集された第153臨時国会は、民主党が野党共闘の要になれず、終始与党3党ペースの国会運営でした。
テロ対策新法が制定された後は、本来の雇用・中小企業・景気対策国会になり、3,500億円の「緊急地域雇用創出特別交付金」、1億円まで政府保証で資金調達できる「売掛債権担保融資制度」の創設、1,500万円まで無担保無保証人で融資が受けられる「創業者融資制度」の拡充等を含む第1次補正予算が成立し、臨時国会閉幕直前の12月4日には、都市再生等の重点7分野に集中的に予算配分する第2次補正予算が閣議決定され、小泉内閣の公約である「国債発行30兆円以内」を、隠れ借金などを復活しながらも維持し、現在の政府としてできる限りの景気対策案がすべてまとまりました。
12月7日の臨時国会閉会後は、政府・与党が中心となって、小泉内閣の本命である「特殊法人等整理合理化計画」が12月19日に、戦後初めての「公務員制度改革大綱」が25日にまとめられました。その前々日の23日には、平成14年度予算案が閣議決定されました。これらの重要事項の決定過程では、小泉総理と自民党族議員の確執がマスコミにクローズアップされ、小泉改革断行内閣の真価が発揮できなかったことを批判する記事が多く報道されましたが、冷静かつ客観的にみて、これだけ従来の政治手法を大きく変えた内閣はないと思われます。現在でも小泉内閣の支持率が大きく下がっていないことが、国民の改革への期待の現れです。
経済情勢の好転、郵政事業の公社化、税制の抜本的改革等、国民の高い支持を基盤にした小泉内閣の成否が問われるのは今年であり、存在感の低下した野党を尻目に、小泉内閣と与党3党ェ国民の期待にいかに応えることができるかが今年の政局の中心軸になりそうです。
今年は、昨年までに整備された不良債権処理スキームが実際に行われると、いくつかの大企業が破綻に追い込まれることが予想され、これらの個々の破綻処理から来る失業等の痛みを和らげるセーフティーネットが機能するかが問われます。円安基調は1ドル140円を超える流れとなっており、中小企業にとっては安堵感があるものの、輸出主導の大企業の収益悪化を招き、複雑な経済の展開が予想されます。
 
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【2】国会報告  
1.本会議・委員会質
①本会議
 11月13日は、予算委員会に1年間所属した成果として、第1次補正予算の与党を代表して賛成討論の機会を与えられました。実際に1年半ぶりに本会議場のひな壇に立ってみると、民主党最前列の一期生議員の野次がひどく、保守党の松浪議員が水を投げかけた気持ちが理解できるほどでした。しかし、水をかける訳にもいかず、こちらはマイクがあるため、大声で野次を抑えようとしたところ、その野次も大きくなり、騒然とした中での賛成討論登壇となりました。

②総務委員会
 12月4日は、本年通常国会から継続審議となっていた首長・地方公務員に対する住民訴訟制度を改正するための地方自治法改正法案を審議するため、参考人質疑を行いました。住民訴訟については、首長を個人と見るか、機関の代表と見るかの二つの見解が百年戦争のように続いており、個人とみる野党推薦の参考人である弁護士の意見も理解できないことはありませんでしたが、訴訟のための訴訟の事例も多くあり、党内で数回の部会を重ね、賛成に回った法案でした。
 ちなみに、野党民主党の党内意見は真っ二つに分かれており、総務委員会理事の意見が最終的に優先され反対に回りました。
 私は住民側の反対感情に配慮するため、住民訴訟に当たっては、地方公共団体に対して資料提供などに誠実に対応することを求める付帯決議を提案し、賛成多数で可決されました。

③財務金融委員会
 10月29日は、私が法案のネーミング役になった「銀行株式保有制限法案」を審議するため、全国銀行協会の責任者等に質問を行いました。今日の株価低迷で銀行の経営リスクが高まった原因の一つに、都銀が貸付先の株式発行を促しその株式を取得しすぎたことが挙げられるのではとの観点から、現在の都市銀行の株式持合い体質になった反省を促す目的で質問を行いました。
 11月7日は、新生銀行(旧日本長期信用銀行:長銀)とあおぞら銀行(旧日本債権信用銀行:日債銀)の両社長に対して、新銀行設立後の経営状況チェックに関する質問をしました。特に、現在の都銀の経営悪化が著しいのは、大蔵省主導の護送船団方式になんら疑問を持たず、株主軽視の経営を行ってきたつけであり、両社長に対して一番怖い存在は誰かとの問いに対して、両社長とも株主とはっきり答弁したのが救いでした。
 11月27日は、整理回収機構に都銀が持つ12兆円弱の破綻懸念先債権の買取機能を拡充させる「整理回収機構(RCC)法」の改正案を審議しました。
この法案は与党3党による議員立法であり、当委員会に所属する公明党議員の3人のうち、私以外の2人が提案者となり、私が唯一質問できる委員となったため、翌日と二日連続で質問を行いました。委員会審議中に、与党委員の出席者が少ないと、普段おとなしい社民党委員が指摘し、いままで与党ペースで進められてきた国会審議への不満を爆発させるように、民主党理事がこのことを理由に委員会室から退席してしワい、委員会採決の日程が一日遅れる会期末間際のハプニングがありました。
 11月28日は、RCC法に詳しい参考人に対する質疑となり、私は「リッチ」の本来の意味を紹介しながら、バブル崩壊に至った貸し手責任側の銀行頭取に質問しました。経営不振が伝えられる富士銀行頭取の前全銀協会長は、税金投入による資本増強は当然のような答弁をし、都銀の中でも優良経営の三和銀行頭取で現全銀協会長の答弁は誠実であったため、私はこの二人の経営者の姿勢の違いが銀行経営成績に差がでていると、反省を求める意をこめて所感を述べたところ、自民党議員から「銀行は、税金投入への感謝がない。はっきり言っていただきありがたかった」とのコメントを頂きました。

④決算行政監視委員会
 11月21日、当委員会で3年ぶりに質問しました。私個人で視察した米国、英国、オーストラリアの行政機関の高度な財務情報の内容と信頼性を担保する制度と比較して、わが国財務省と会計検査院の問題意識のあまりのなさ過ぎと、対応が遅かったこと等の怠慢ともいえる姿勢に対して、かなり野党調・詰問調の質疑になってしまいました。
 
2.行政改革 
①公明党行政改革本部
 一昨年12月1日の行政改革大綱で閣議決定された、「特殊法人改革」、「公務員制度改革」、「公益法人改革」、「規制改革」の政府側の対応を監視するため、党内に行政改革本部を設置し、冬柴幹事長が本部長に、私が事務局長となり、それぞれに委員会を設け、活発な党内論議を行ってきました。特に、私が委員長を兼任している特殊法人等改革委員会では、道路公団、都市基盤整備公団、住宅金融公庫、政府系金融機関等について、党内の意見取りまとめのため、誰かがそのたたき台を作る必要があり、その作成と党内からの批判を受ける役を事務局長の私が引き受けることになりました。
 早速、若松私案を作成し、これをもとに、早朝より何度も党内議論を行い、意見集約を図りましたが、このメモの存在に気付いたマスコミが、私にしつこく取材要請をしてきたため、取りまとめ期限の12月17日まで、マスコミ対策に悩んだ2週間でした。
 公務員制度改革では、4年前に私が出版した「ストップ・ザ・天下り」に記述した公務員の天下り問題を、上述の「特殊法人等整理合理化計画」に反映させようと党内論議を重ね、11月22日に冬柴幹事長から小泉総理に、この問題をしっかり取り組んでほしいと要請したところ、総理から逆に公明党で案を作ってくださいと依頼され、事務局長の私に文案作成の役が回ってきました。この案を12月11日に党内で論議した後、13日に自民党行革責任者とその内容の打合せを行う予定でしたが、文面の内容が不備なまま、情報がマスコミに流れ、その前日の12月12日の日経と朝日の一面トップ記事に取り上げられてしまいました。自民党との打合せ前に新聞記事になることは信義違反であり、情報管理は厳重にしていたものの、同時並行で作業していた平成14年度税制改革と錯綜し、なぜかその文章がマスコミに渡り、私はその釈明のため党内と自民党関係者を駆け回り、なんとか関係修復して最終案が12月17日に確定しました。
そ の内容が「特殊法人等整理合理化計画」に盛り込まれ、さらには、後述する12月21日の与党行財政改革推進協議会の実務者協議の場で12月25日閣議決定される「公務員制度改革大綱」にこの文章が全文盛り込まれていることを確認し、更には一部の文章修正を要求し、天下り問題の長い戦いの一幕が降りました。

②与党行財政改革推進協議会
 小泉内閣が特に力を入れてきた特殊法人改革は、12月18日に政府の特殊法人改革本部が決定する「特殊法人等整理合理化計画」の最終内容を、与党行財政改革推進協議会で審議するため、前日の午後4時にその会合がセットされました。しかし、政府系金融機関と空港の整理合理化計画案がまとまらず、急遽与党3党幹事長・政調会長プラス自民党太田誠一行革本部長の7人の会合をその日の夕方行い、最終的に第三者機関にその決定を委ねるなどの対処方法で、「3党幹事長合意文」を作成し、夜9時からの協議会で最終決定しました。
 私はその合意文作成に携わり、住宅金融公庫の廃止に伴う中低所得者層にもマイホームを可能とするよう、必要な措置をすることなどの内容を盛り込むことができました。
 本年最後の実務者協議となった12月21日の午後5時から、「公務員制度改革大綱」の文面を確認し、その際、私が3月と6月の2度にわたり、与党3党幹事長合意文として確認された「公益法人運営適正化法案」の処理は新たな3党合意へと変化し、来年中に「公益法人改革プログラム」を与党3党で作成することが合意でき、年内の行革行事がすべて終了しました。

3.平成14年度税制改正
 12月7日の臨時国会閉会後は、本来なら地元の挨拶回りを開始するところですが、閉会後の方がより多忙になりました。その理由は与党の専権事項である来年度税制改正に関する論議です。閉会後1週間の間、12月14日の与党3党税制改正大綱取りまとめのため、早朝7時半から夜まで会合が続きました。私は党税制調査会副会長のため、前述の行革事務局長と同時並行で打合せを行い、多い日は一日で18の会合に出席しました。
 今回の税制改正に関して、小泉総理が「増税はやりたくない、減税は先延ばし」と先行表明したため、税収減につながる大幅な税制改正は実現できなかったものの、私は財務省に対して、構造改革の一環として、経営者の事業意欲を削ぐ「事業承継税制」、「留保金課税」の軽減は行うべきである主張し、この論理が通り、若干ながらも減税が実現できました。
4.出版活動
 国会議員9年目で4冊目となる「地方公共団体再生工程表」の2月初旬の完成を目指して編集の最終作業を行っています。特殊法人改革、行政評価法制定に次ぐ私の3冊目の政策提言書です。出版社は「(株)ぎょうせい」に決まり、議員立法の経験から得られたノウハウを使い、「地方公共団体改革基本法」と命名した法律案の制定のために必要な具体的かつ大胆な政策を提言しています。
 出版を記念し、4月5日(金)の夜6時半から、上尾駅のすぐそばの上尾東武サロンで、冬柴幹事長、片山総務大臣、石原行革担当大臣を来賓にむかえ、パーティーを開催します。
5.政策活動
 ①石原行革大臣
 12月20日、石原行革担当大臣の国会事務所を訪れ、上記出版パーティーへの出席要請を行い、同時に、石原大臣が来年1月にオーストラリア視察に行かれると聞き、私の昨年8月の同国への視察内容を説明しました。石原大臣はオーストラリアの大胆な改革の内容を聞いて、大変驚愕していました。
 ②小泉内閣総理大臣
 12月26日は、上記出版への推薦の言葉を戴くため、首相官邸に小泉総理を訪ね、上記オーストラリアの視察報告と、出版内容の地方公共団体改革基本法の内容を説明しました。
小泉総理は大変疲れている様子で、始めは傍観者的に私の説明を聞いていましたが、オーストラリアの大胆な改革と基本法の内容に触れると徐々に身を乗り出して熱心に聞いてくれ、15分間の短い説明でしたが、最後に、総理から、「法案をぜひ公明党で出して頂き、与党3党でまとめましょう」との話がありました。
小泉総理との会談後、執務室の外に待ち構えていたマスコミから、総理との会談の内容等について聞かれ、私はただの出版推薦のことばを戴きに訪問したと言ったにもかかわらず、時事通信は早速、基本法の内容を記事配信し、翌日の産経新聞にも大きく掲載されました。


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【3】地元活動 
1.後援会活動
①若翔会後援会活動
 昨年3月、闘う後援会として新出発した若翔会は、おかげさまでこの1年間で新しい後援会が10も増えました。12月の最後の執行役員会には、昨年1月、ワシントンDCにIT視察で同行した自民党の小渕優子代議士が出席してくれ、1年間お世話になった執行役員への感謝の会合となりました。

②ワインの夕べ(第6回)
 10月13日、「アカペラとワインの夕べ」をクレア鴻巣で開催し、参加された200人の支持者の方々とともに、人間の音声で不思議なハーモニーを奏でるアカペラを十分堪能しました。

③松緑会
 11月1日、第12回となる松緑会ゴルフコンペを、鴻巣カントリーグラブで開催し、過去最高の240名の参加者がありました。

④WEB NET 21
 11月16日、第2回目の開催となったこの会合は、40前半までの若手経営者およびサラリーマン30名が出席しました。講師は、参加者と同年代の経済産業省の東大卒キャリア官僚に来てもらい、2010年の日本人の生活と経済予測について講演してもらいました。
講師の、「市場の時代でできる国の政策は限られており、これからは国に求めるより、自分たちで考える時代になった」とのやや突き放した内容に対して、参加者の半数は、「官僚からはっきり言ってもらい、すっきりした」というコメントで、他の半数は「物足りない」と、政府が何かをしてくれると期待するコメントの二極化した反応がありました。

2.行政評価シンポジウム
 10月26日、上尾市コミュニティーセンターで、私の選挙公約実現の報告を目的とする「行政評価法」の制定を記念した、「行政評価の時代と私たち」と題したシンポジウムを行いました。会場は350席に対して、通常のシンポジウムより、内容が専門的な理由もあり、200人程の参加者と少ない人数でしたが、出席した講師からは、専門的なシンポジウムでこれだけの人数は大変なものとの賞賛を受けました。
今回の参加者は、大変バラエティーに富み、遠方は九州から、行政側、首長選候補者、地方議員、市民等幅広い参加者を見るとこができ、選挙区内の首長では唯一、桶川市長が熱心に最後まで聞いてくれ、シンポジウムの最後に「行政評価法」の評価を求めたところ、絶賛の評価を戴きました。

3.税理士上尾支部勉強会

 10月27日、私が所属する上尾税理士会の研修会に、今回の税制改正の中心者であった財務省の主税局長を講師に迎え、税理士の役割について、講演をしてもらいました。普段から財務金融委員会等でよく顔を合わせる局長ですが、委員会における慎重な答弁振りではなく、冷戦構造等の時代の変化を見極めた大変高尚な講演内容に、税理士の先生方は大絶賛でした。その後の平成14年度の税制改正作業では、いつもの渋い主税局長に戻り、非常に惜しい感想を持ちながら、税制改正の交渉を思い出しています。

4.FM鴻巣フラワーラジオ番組出演
 放送開始から10ヶ月が経ちました。最近は番組で紹介した、レストラン、お酒屋さん、シバリエをゲストに呼び、私がパーソナリティー役に挑戦する経験をしました。リスナーの反応はさらに広がり、その要望に応える形で、来年3月1日、毎週の番組収録室で、ワイン好きのお酒屋さんのお薦めのワイン試飲会を開催することになりました。

5.上尾市シティーマラソン
 11月18日は、4回目の出場となる5kmマラソンに参加し、念願の25分を切る自己ベストタイムを記録しました。この時、前回の衆院選で惜敗した対立候補である民主党代議士も初出場し、選挙で戦い、マラソンで闘うのはしんどい、との冗談を交わしながら、マラソンでは5分以上の大差をつけて勝利しました。

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【4】若松事務所および市民フォーラムの現況報告
 参議院選挙が終わり、やっと選対本部長という肩の荷を降ろしたものの、私も秘書も政治資金活動に十分時間が割けなかったため、参院選後から年末まで、資金繰りのやりくりで大変でした。しかし、会員の何人かの方が若松事務所の現状を理解してくれ、私自身も借金をし、年間目標額を達成することができました。
各種勉強会も規則的に開催できるようになり、今後は景気・雇用等の重要課題を中心に、勉強会をさらに活発化できるよう、頑張って参ります。
1月8日のグローバル・インターネットでは、12チャンネルのビジネスサテライトのレギュラー解説者である日本総研の調査部長でエコノミストの高橋進氏を講師に、2002年の景気動向を解説して頂きます。 
 市民フォーラムは、12月末現在、個人会員157人,法人会員93社、合計250人(前回報告時より9人増加)の方々にご協力いただいております。年々政治課題が多くなってきますが、市民フォーラム会員各位の大切なご支援にお応えするためにも、今年は昨年以上の活動を展開し、日本経済の再生の
中心者として、1月21日召集される予定の通常国会では、誰よりも国政で働き、地元の課題にも積極的に実績を挙げてまいります。2002年も、2001年に倍するご支援とご鞭撻を戴きたく心よりお願い申し上げます。
以上
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